たとう紙をご存知でしょうか?
正絹は虫や湿気の害を受けやすいですが、百年たった今でもアンティーク着物として売られているのは、このたとう紙があるからなんです。
ということで、今回はたとう紙の話題です。
たとう紙とは着物を収納するための包み紙のこと
たとう紙を簡単に言うと、着物を包んでしまっておくための紙製の包みのこと。
地方によっては、「文庫紙」などとも呼ばれています。
着物の代表的な素材は正絹ですが、これはなかなかの厄介者。
タンスの中にしまっているだけでも湿気や虫の害によってダメになってしまいます。
それを保護する役目を持っているのがたとう紙なんです。
湿気の害から守ってくれる
日本は湿気が多い気候。
初夏には梅雨があり、ジメジメした日が続きますよね。
ですので、そのまま収納していると、カビが生えることがあります。
たとう紙は和紙でできています。
和紙とは日本独自の丈夫な紙のこと。
これが湿気を吸い、カビたり縮んだりすることから守ってくれます。
通気性がよく、正絹の呼吸をサポートしてくれる
たとう紙は丈夫な紙製品ですから、通気性がよいことも特徴です。
絹製品は呼吸をしているとも言われ、プラスチックケースなどに入れていると窒息して、色が悪くなってしまうんです。
そうならないように、1枚ずつたとう紙に包み、桐箪笥にしまいます。
桐箪笥がない時は、たとう紙に包み、何枚かをまとめて布(風呂敷)に包んで置いておくとよいですよ。
他にも、
- 着物をほこりから守る
- しわになるのを防ぐ
- 出し入れしやすくする
などのメリットがあります。
サイズは着物用と帯用の2種類
大きさは着物用の長いタイプと、帯をしまう短いタイプがあります。
メーカーによって長さに若干の差があるので、タンスにしまう時には、購入前にサイズを確認してくださいね。
また、旅行用にコンパクトに折りたためるものもあります。
ただし、長期保管するときには、あまり小さくたたまないことが大切です。
たとう紙は2年で交換が基本
たとう紙には寿命があります。それは約2年。
前述のように日本は湿気が多く、たくさんの湿気を着物の代わりにすってくれるので寿命が短いのかもしれませんね。
長く使うと湿気が着物に回ったり、たとう紙に虫がついたりとあまりよい事はありません。
それほど高いものではないので、着物を守るためにも、数年単位で交換することをお勧めします。
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