着物で楽しむ日本の四季。季節に合わせた柄を楽しむ!

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日本には四季があります。
春夏秋冬それぞれに特徴があり、それを大切にしてきました。

もちろん着物にも四季があります。
今回は着物と四季についてお話ししたいと思います。

季節がはっきりと別れ、それぞれに特徴がある

日本は「四季」と呼ばれるように四つの季節が明確に分かれていて、それを楽しみながら暮らしてきました。

春:3月~5月

春は日本中で桜が咲き乱れます。
テレビでは桜がいつ咲くのかを報道し、満開の時期にあわせてお花見をします。

実は、桜が満開なのはわずか1~2週間。
しかも、雨が降ったり、強い風が吹くと散ってしまいます。
そのわずかなピンポイントを狙ってみんなお花見をするわけです。

そんな春に着る着物には、桜の花が多く描かれています。

もちろん他にも様々な花が咲き乱れる春は、花が一番多く描かれる季節かもしれません。
梅や牡丹、藤などがその代表でしょうか。

春にぴったりの色合いは淡いピンクやイエローなどもパステルカラー。
春は心がウキウキする季節なので、着物もウキウキする色合いと柄がぴったりです

夏:6月~8月

梅雨と呼ばれる長い雨の季節から、暑い日が続くこの季節。
多くの人に好まれるのがあじさいの柄です。
「柄選びに困ったら夏はあじさい起きとけばいい」という人がいるぐらい定番の柄なんです。

また日本人が必ず小学校で育てる朝顔も人気。
着物の一種である”浴衣”にも描かれる定番の柄でもあります。

ところで、私が夏の着物で面白いなと思っていることがあります。

それは、夏の暑い日用の着物には黒色が多いこと。
高級な着物になると、薄い着物になり、下に真っ白な襦袢(下に着る着物)を見せながら着るのがお洒落とされています。
面白いなぁと思います。

秋:9月~11月

この季節は木々が紅葉を始め、黄色やオレンジ、茶色が定番となります。
(最近は夏が長くなり、秋の訪れが遅くなりましたが)

そのような季節ですから、秋はもみじや銀杏など、紅葉する葉っぱが多く描かれます。

また味覚の季節でもあり、ぶどうが描かれることもあります。
ぶどうとリスを組み合わせて書く「葡萄栗鼠文(ぶどうりすもん)」という定番の組み合わせもあるんですよ。

冬:12月~2月

この季節は寒さも厳しく、雪に覆われる地域も多くなります。
季節的には真っ白な風景になるのですが、年末には忘年会やクリスマスといったイベントもあり、新年を迎える時でもあり、華やかさを求める季節です。

日本では縁起がよいと呼ばれる”松竹梅”という柄があり、これを描いたものが多くなります。
また”南天”は、「難を転ずる」とも言われ、お祝いの席では特に好まれます。

暑い夏、寒い冬。
どちらも厳しい季節ですが、それを着物で楽しんでしまおうというのが日本の強さかもしれません。

ぜひいろいろな柄や色合いの着物を見ていただけると嬉しいです。