女性用着物の最適な長さは、身長±5㎝。
長い着物に“おはしょり”をして着用します。
何だか不思議で、ちょっとややこしい、おはしょりについてお話しします。
おはしょりは、「端を折る」が語源
「着物を着ようと思ったら、長くて困った」という話を聞きます。
また、「おはしょりがうまくいかない」とも聞きますね。
おはしょりは、漢字で書くと「お端折り」。端を折るという意味です。
昔は着物の多くが親から子へ、子から孫へと受け継がれていて、全体はきれいなのに、裾だけが擦り切れてしまった・・・というときに、おはしょりをして使っていたようです。
でも、今は、お腹のところで長さ調整することをおはしょりと言います。
結局のところ、長さ調整をすることをおはしょりと呼ぶようになったのかもしれません。
なんだか面倒な印象もあるおはしょりですが、これがあるおかげで、身長差があっても、ぴったりの長さで着ることができます。
おはしょりをせずに着る舞妓さん
日本で有名な舞妓さん。
彼女たちは、着物の裾を持ち上げるのがお決まりのスタイルです。
お座敷では“お引きずり”と言って、長い着物をズルズルと引きずっています。
実はこれ、特別に長い着物を着ているわけではなく、おはしょりをせずに着るからなんです。
昔の日本では、この着方が主流だったとも言われているんですよ。
その後、日本が西洋と交流をするようになると、女性も活発に動くようになり、お腹のところで長さを調整するようになったそうです。
おはしょりはどうすればよいか?
おはしょりは、ちょうどお腹の位置に来るので、うまく作らなければボッテリとして、お腹が出たように見えてしまいます。
また、古い方は、「おはしょりが少ないと貧相に見える」などと言い、必死に7㎝程度でまっすぐになるようにキープしたがる人がいます。
でも最近は、アンティーク着物が増えてきて、昔の人との身長の差かさら、おはしょりが作れない着物も増えてきました。
昔の人は身長が低いんですよね。
ということで、おはしょりなしで着る人も増えています。
結局のところ、おはしょりはあまり神経質になる必要はないというのが私の考えです。
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