江戸鼠とは江戸時代に庶民に流行した着物の色のことです。
※江戸鼠ってどんな色なの?
江戸鼠はやや茶色みの濃い鼠色で、江戸で好まれた鼠色だったそうです。
現在でも江戸鼠の色の着物は着ることも見ることもできます。
※江戸鼠ってどうしてできたの?
江戸幕府によって庶民が贅沢をすることを禁ずる法律によって
庶民は着物の色を茶、鼠色、藍色と地味な色を使うように命ぜられました。
そのため庶民は
茶、鼠、藍を混ぜ合わせて様々な色合いを作り着物を染め
その風合いを楽しんで着物の「粋」を楽しんでいたそうです。
その中でも江戸で好まれた鼠色なので、「江戸鼠」と名付けられました。
※灰色をどうして鼠色っていうの?
江戸時代以前は灰色と呼んでいました。
江戸の平和な時代が来る前には戦争があり、
火事や火葬で灰になる経験から悲劇を連想する「灰」という言葉を避けて
鼠の体毛の色、鼠色と表現するようになりました。
※江戸の町で鼠、茶、藍を混ぜた色の着物は大流行しました。
中でも鼠色の原料はくぬぎ、なら、くり、かしの樹のため
誰にでも手に入りやすかったためといわれています。
自分たちが手に入る材料で工夫をして、政府の監視の目の中で
「粋」を楽しむ庶民文化を着物の流行色からも知ることができます。
【注釈】
粋 → 流行やおしゃれを楽しむこと
江戸 → 現在の東京、1603年~1867年当時の政権があった城下町。庶民文化が活発だった地域として知られている。